中国で生まれた(狭義の)東洋医学は天人合一論のように、自然界と身体をつなげて考えられている。胸部にあるツボもその1つと考えられる。
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北斗七星のツボ
CV.21 璇璣(せんき〕
取穴:天突の下方1寸
効能:咳嗽、喘息、(あまり使ったことない)
正直ツボとして使うことはほとんどない。ただ、由来を考えていくと非常に面白い。
名前の由来
>>>コトバンクより(原文ママ)
① (「璇」「琁」「璿」は美しい玉の名称。「璣」は回転仕掛けの機械の意) 北斗七星によって星宿の位置を測定したところから、美しい珠(たま)で飾った天文観測の器、渾天儀(こんてんぎ)のこと。璇璣玉衡(せんきぎょっこう)。
※随筆・独寝(1724頃)下「周易の道は琁璣のうちにあると、人・物ともにのがれぬためし」
>>>wikipediaより(原文ママ)
璇と璣は{王+旋}、{王+幾}を一字で書いたもので、それぞれ北斗七星の1番目と2番目の星の意味である。伝統中国医学では、肺は胸の最上部にある、8弁のコスモスを伏せたような形の天蓋のような臓器と考えていた。この経穴は肺臓の中央に通じるとされるので、天空のほぼ中央を回転しながら地上を睥睨する北斗七星に見立てたものとされている。

北斗七星の器の底の部分の星の名前がそれぞれ天璇(てんせん)天璣(てんき)となっており、ここから一字ずつとったのがツボの“璇璣”である。
このように空の中心≒肺臓(肺は天蓋・天・上焦・上)の中心、天文観測と照らし合わせた身体の中心、とも考えられているようだ。
正しい姿勢と璇璣
正しい、綺麗な姿勢をとろうとする時、様々な指標があるが、T.3と胸骨のバランスも大切だ。
胸骨柄とT.3を合わせるような姿勢をとると胸郭が整いやすくなる。結果的に鎖骨は開き、巻き肩は抑制され、胸椎の過後弯の抑制にもなる。もともと胸骨自体は軽い彎曲があるが、璇璣をさらに空に向けるように、さも北斗七星の方向へ向ければ、
・胸は張り
・T.3と胸骨塀が合い
・胸郭が働いて肺が機能
・美しい姿勢と機能
となっていく。なんと理にかなった命名と姿勢矯正だろう。
そして何より北斗七星に見立てているのがなんだかかっこいい。
姿勢を整えようとする際は、是非とも璇璣に指を当てながら空を見上げてみてほしい。
北極星ではダメなのか?
しかしながら、空の中心ということであれば、北極星の方が動くことがなく適切ではなかろうか?
もしかしたら、季節によって微妙に変わるからそれに合わせたのか?
春→肝→東。夏→心→西、のように!!まさか!!!!
すると、、、、
春分→東、夏至→南、、、、
違うやないかい。
だがそれとこれとは話が違う。北斗七星のような(人間の視点から見れば)僅かな動きではなく、大きな自然界と人間を照らし合わせたのが東洋医学だ。そもそもこの閃き自体が間違っている。
少し違う視点から見てみると良い。
昔、北斗七星の柄の部分の向きを基準として季節を判断していた。月建(げっけん)というそうだが、そのあたりは詳しくない。北斗七星は、季節の時計なのだ。
地球で生きる、人として生きるのであれば季節と人体の対応は切り離せない考えだ。鍼灸治療をする場合、季節によって脈も呼吸も養生も変わってくる。
つまり、古代中国人は月齢や月建を基準として季節や養生を判断し、身体と季節を合わせることを、北斗七星と身体を合わせることで合致させたのではなかろうか?
そう思うと、、、
- 良い姿勢の作り方
- 璇璣というツボの位置と名前の由来
- 季節を測る北斗七星(=季節・自然界)と人間の身体の中心(特に肺[天]の中心)の合致
これらがすべて符合してくる。
面白い。。。これだからやめられない。
合っているかはわからない。しかし、少なからず納得できる内容ではないだろうか?
・璇璣の名前の由来は北斗七星
・肺(人間の上部)の中心
・いい姿勢をとることは璇璣を北斗七星へ向けること
・北斗七星と璇璣、季節を身体を符合させる