雑感

“美女と野獣”を愛してる

大好きな大好きな大好きなディズニーアニメ、美女と野獣。
これこそディズニーアニメの真骨頂である。
つい先日、岡田斗司夫氏のyoutubeにて美女と野獣の解説を見て非常に面白かったので、もう少し調べてまとめてみた。

美女と野獣の功績

「好きなディズニープリンセスは?」
という問いに対し、ジャスミン、アリエル、オーロラ姫、シンデレラ、、、、、
なぜベルが出てこないのか?
信じられない、有り得ない、理解できない。

今年になってようやく日本のディズニーランドでも美女と野獣のアトラクションが出来上がる。
なぜ今までなかったのか?
信じられない、有り得ない、理解できない。

“美女と野獣”(原題:Beauty and the Beast)
1970年代のフランスが舞台になっている。

この時代、“女性は雑用をし、女性の成功と言えば結婚”という常識があり、「心から望まない結婚なんて野獣と生活するようなもの」という作者の思いが「美女と野獣」という作品になっているよう。

さて、後述するがディズニーのひどい低迷期からの復活を決定づけた美女と野獣。
まずはこの輝かしい功績を見てみたい。

美女と野獣(1991年公開)受賞成績

・アニメ映画史上初のアカデミー賞作品賞ノミネート作品
(第82回アカデミー賞で「カールじいさんの空飛ぶ家(2009年)」がノミネートされるまでは、この作品が唯一)
・アカデミー賞:歌曲賞・作曲賞を受賞、録音賞にもノミネートされた他
・ゴールデングローブ賞:映画部門で作品賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞
・ホームビデオが発売され売上数では当時の米国記録を達成
・日本で初めて、セルビデオのみで100万本を出荷
・エンターテイメント・ウィークリー誌が発表(2009年)した「1983年以降に製作された恋愛映画の名作25本」に選出

どうだ、見たことか。すごいだろう。
単に受賞をした、というだけではなく、受賞面でもセルビデオの販売面でも、アニメ界を覆すような画期的な記録を作ったのがこの映画なのだ。

ディズニーの黄金期

ウォルトディズニースタジオ、アニメ部門にはいくつかの黄金期がある。

【第1次黄金期:スタジオ設立(1950-1970)】
→代表作:白雪姫、バンビ、シンデレラ、
戦争後、経営が傾くがなんとか持ち直す

【第2次黄金期:ディズニールネサンス(1989-1999)】
→代表作:美女と野獣、リトル・マーメイド、アラジン、ライオンキング、

【第3次黄金期:ピクサーを買収、CGアニメーションへと移行(2009-2016)】
→代表作:塔の上のラプンツェル、シュガーラッシュ、ベイマックス、

実はこの”美女と野獣”が公開される前の1980年はまさにディズニーにとってはどん底の時代であった。

・会社を乗っ取られかける
・トップアニメーターがディズニーを抜け、ライバル会社を立ち上げる
・その際には優秀なアニメーターを全員引き抜く、など

散々であったのだ。

しかしそんな中、ディズニールネサンス時代の火付け役となった映画「リトル・マーメイド」。ここから興行収入も評価も爆上がりとなり始め、その翌年に美女と野獣が公開され、ディズニー復活を決定づけ、先の功績にもあるように、素晴らしい成績を収めた。

しかし、それと同時に、この時代の風潮として強くあった、ポリコレとの闘いのスタートでもあった。

ポリコレと美女と野獣の世界

ポリティカル・コレクトネス(political correctness)

性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用すること

日本語でもこれは多くある。
例)
・障害者 → 障碍者、障がい者
・肌 色 → うすだいだい
・痴呆症 → 認知症
・精神分裂病 → 統合失調症

つまりは、様々なくくりでのボーダーをより中立にしようとする言葉や意識の変革がこの時代に起こり始めた。

これまでのディズニー映画は「プリンセスがいて、男性に見初められ、結局は王子様と結婚して幸せになりました。」という展開が一般的であったが、1980年代頃から「男の理想になって媚びて生きていかなければいけないのか!」という風潮ができてしまっていたのだ。

そうして、悪いニュアンスでのプリンセスイメージがつき始めてしまった。

その時代に合わせ、ベルも今までのプリンセスとは雰囲気が変わった。

・ベルは本が好きで男に興味がない
・ガストンに言い寄られても見向きもしない
・これまでの話であれば、王子様はどちらかと言えばガストンのような体型
・これまでのお姫様で言えば、街の娘3人なんかはそれなりに綺麗でお胸もボボンでありプリンセス向き
*岡田氏によると、この3人がディズニー映画で史上初・唯一の乳揺れがある女性なのだとか

従来のディズニーアニメであれば、町娘などのプリンセス以外の女性は貧相で容姿も綺麗ではないのが一般的。
これもまた、ポリコレとの闘いの中で生まれた美女と野獣の特異なところである。

時代背景の写し絵となるディズニー

“美女と野獣”はこういった、ある種性差別的な革命を起こそうとする時代背景が映された。

これ以外にも、近年のプリンセスに変化を感じないだろうか?

従来:白雪姫、シンデレラ、リトル・マーメイド、アラジン、
近年:美女と野獣、アナと雪の女王、シュガーラッシュ、塔の上のラプンツェル、

そう、時代が進むにつれて、恋の仕方が女性主導へと変わってきているのだ。
こういった時代背景の写し方というのも非常に上手で、いつまでもディズニーが発展していく理由の1つなのだろう。

ちなみに、美女と野獣の実写では、黒人差別がある時代にも関わらず、舞踏会や街の会話、図書館の館主に至るまで黒人の姿がみられる。これも、歴史としてフランスのこの時代に将軍位まで登りつめた黒人がいたからだそう。
ぱっと見では違和感を感じるも、しっかりと背景に沿った作品作りをするウォルトディズニースタジオ。

大好きです。
“美女と野獣”を愛してます。