東洋医学・医療

血液凝固機序の勉強

傷の損傷、組織回復、全身の血流循環、子宝に関連しての胎盤や着床期の血流、etc…
血液凝固は全身的に作用するもの。勉強し直して損はない。

*自分の勉強のために文章・図を作成していますので見にくい点はご了承ください。

・血小板
・ずり応力
・フィブリノーゲン、フィブリン、vWF
・プラスミン

一次止血→二次止血→線溶

出血が起こった際、内因性の凝固因子、並びに出血部からの外因性因子が作用し止血作用を行う。止血から創傷部の回復までは止血〜線溶の作用がある。

一次止血

血管が破れて出血が起こると、まず血管収縮が起こり、血管損傷部位の縮小を行う。
同時に血液中の血小板が集まり、血小板血栓を形成。
一次止血とは、この血小板血栓の形成である。

細い血管の場合は血小板血栓のみで充分な止血効果があるが、これのみでは、血を止めるには脆くて不安定なことが多い。

一次止血の流れ

(1)血管壁に傷がつくことで外因系因子の影響を受け血小板の働きが活発になり、偽足をだし円盤状に変形
(2)血管の破綻によりずり応力が発生 *ずり応力については後述
(3)vWFを介して血管内皮と血小板が結合
(4)PF4(血小板第4因子)、PGDF、セロトニン、ADP、etc…が放出、膜リン脂質からTXA2合成、血管が収縮血小板はさらに局所に凝集
(5)フィブリノゲン、vWfを介して血小板凝集の安定化

血小板の特徴

直径:2〜3μ(1μは1000分の1mm) *赤血球の1/10の容積
血小板の表面には多数の受容体
→フィブリノーゲン、von willebrand因子(vWF)、コラーゲンなど
様々に反応し合い、働きや反応が活発になる

二次止血

一次止血を底支えするために、より強力な血栓を形成する。フィブリンによるフィブリン血栓、これが二次止血だ。
トロンビンの作用でフィブリノゲンがフィブリンに変化し、フィブリンが網目状の強固な膜を作り、一次止血である血小板血栓を覆い固め、止血完了となる。

二次止血まで完了となると大血管の破れにも耐えられるくらいの血栓が完了する。

☆一次止血、二次止血、については講義資料の模式図をご覧頂くと非常に理解しやすい。凝固因子のカスケードもそうだが、血小板を中心とした化学物質全体の模式図は一目でとてもよくまとめられている。

線溶

二次止血が完了し血管も治癒した後は血栓は除去されなければならない。その為に、損傷部周辺の内皮細胞が増殖し、血栓を押しのけるようにして修復。かつ、フィブリン・フィブリノーゲンを分解するプラスミンが分泌され、血栓を溶解する。
この分解過程において分解産物としてFDPD-ダイマーetc.が生成される。

厳密に言えば線溶にも一次線溶と二次線溶がある。

一次線溶:凝固前のフィブリノーゲンの溶解
二次線溶:凝固後のフィブリン溶解

FDPはどちらでも見られるが、D-ダイマーは二次線溶でのみ見られる。
つまり、D-ダイマー高値であれば血栓が疑われることがわかる。

ずり応力

血液はただの液体というよりは粘度を持っている止まれば固まる
人体内で液体として維持できているのは血流があるからだ。
血流も血管内で一定ではなく、中心部は早く流れ、血管内皮(血管壁)近くであるほど遅くなる。
この血液(主に血小板)と血管との摩擦力をずり応力と呼び、これが先の一次血栓にも深く関わる。

【ずり応力の影響】
大きい血小板の働きが重要
→ずり応力が大きくなる動脈の血栓症は、血小板の働きを抑えることが大切
小さい凝固因子の働きが重要(フィブリノーゲン含む)
→ずり応力が小さい=血流が遅い、静脈主体となる血栓症では、凝固因子の働きを抑えることが大切

血栓症に対しての投薬も多々あるが、これも疾患によって選薬が変わるのはこういうことだ。血小板と凝固因子、どちらの作用を抑制したいか、ということである。

不妊治療において、バイアスピリンでの対処かヘパリンでの対処か、という点もここを見極める必要がある。
人体でもっとも血流が遅くなる場所は子宮、特に胎盤。胎盤は、流れるというよりも血液が溜まっているような状況。さらに、絨毛表面はもともと血液凝固因子が集まりやすい環境。出血は胎児の命に関わるため、出血をさせないことが第一優先となるからだ。

その他の血液凝固因子

代表的なその他の凝固因子としては、、、

  • アンチトロンビン
  • プロテイン C
  • プロテイン S
  • 組織因子経路インヒビター
    などなど

昔は薬などもなく、自身の力で生きねばならない。
出血をすれば死ぬ。当然だ。だから人間の体には血液凝固と融解因子では圧倒的に凝固因子が多くを占めている。血糖調整と同じですね。

頭がパンクしそうなのでこれくらいにし、上記凝固因子の詳細は別の機会に譲るとする。

 

1点、興味深いのは、アンチトロンビン、プロテインC、プロテインS、は全て肝臓で生成されるということ。

血栓関連→凝固因子に関連→ずり応力との関連→血流の関連→肝臓

なるほど、このつながりで考えれば東洋医学的な肝の「疏泄・条達」「血の調整」といった働きも大きく関係していると考えられる。

面白いな

 

一般社団法人日本血液製剤協会
止血・凝固・線溶 資料
抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロック:総 論
臨床検査専門医が教える異常値の読み方が身に付く本、村上純子、じほう

本日の学び

・一次止血と二次止血、線溶、といった働きの復習
・それぞれに関与する代表的なものを理解すると病理・薬理の理解に役立つ
・凝固因子と東洋医学的肝の繋がり
・ずり応力、フィブリン、血小板、プラスミン、この辺が説明できればおおよそ良いかと