東洋医学・医療

陰部神経の走行

膀胱直腸障害、子宝、局部の痛みなど、多様性があり、かつ便利な神経。
名前だけで終わらせない為に復習。

陰部神経の概要

陰部神経は仙骨神経叢の最も下位にある神経であり、起始はS.2-S.4であり、多くの分岐がある。陰部神経の走行は下記。

陰部神経自体は上図で見にくいくらい細いものだが、分岐は多く、これほど広範囲に影響を起こす。

坐骨肛門窩

陰部神経が損傷すると、、、

陰部神経は骨盤隔膜(骨盤内臓器を物理的に支えている筋肉群)の底を這うようにして走っている。
ほぼこの走行沿いのものを支配していると考えて良い。
細いが、なかなかバカにできない神経だ。

陰部神経は膀胱や生殖をも支配

損傷すると、“脳ー膀胱” “脳ー生殖器”でのコミュニケーションが取れない

尿失禁、ホルモンバランスの崩れ、前立腺・婦人科疾患の発症
*神経は12%牽引されると損傷される

単純に尿/便失禁、EDなどの生殖器障害が考えられるのはもちろんだが、当然「神経」なので、脳とのコミュニケーション不良が起こり、ホルモンや前立腺・婦人科など内臓障害へも発展する。

また、手足を動かす一瞬前に体幹安定筋が発火する為、骨盤下部の筋緊張の重要性は高い。
特に体幹安定には、横隔膜、骨盤底筋、腹斜筋群などが発火して姿勢筋として作用する。

つまり、陰部神経が作用しないことで、泌尿器系だけでなく、最終的には姿勢異常にまでつながる恐れがある。

逆に、今みている患者様の中で姿勢矯正がなかなかうまくいかない方、矯正できてもすぐに戻る方、などで陰部神経促通不全による症状発現、ということもなきにしもあらず、ということだ。

以前勤めていた鍼灸院では婦人科や子宝に陰部神経を多用していたが、これに止まらず身体全体への作用を考えると、陰部神経刺鍼だけでもかなり応用が効くようだ。

考えられる治療法

・陰部神経刺鍼
これ自体は慣れてしまえば大したものではない。図解鍼灸療法技術ガイド 1―鍼灸臨床の場で必ず役立つ実践のすべてによると

PSISから坐骨結節にかけて、50-60%の位置、内方斜刺にて捉えられる

とされている。
*詳細は上記図書を参考

・姿勢矯正
姿勢不良、特に骨盤後傾位にて発火しにくくなる為、骨盤底筋の発火を促すような姿勢矯正が必要とされる。

・横隔膜の使用
横隔膜と骨盤底筋群は呼吸の際に連動している為、上記姿勢の異常や排便時のバルサルバ法などで過緊張が起こってくるとこの連動に障害をきたす。
呼吸の調整となると、横隔膜につながる胸腰筋膜・腹壁呼吸時の舌の使い方、を考慮して治療に携われると良いかと思う。

本日の学び

・陰部神経の走行は大坐骨孔からでて骨盤下面を這っていく
・陰部神経は脳とのコミュニケーションという観点でも重要
・骨盤隔膜(陰部神経支配領域)は呼吸筋群とも深く関係