東洋医学・医療

joint by joint

ただ関節といっても、関節の中でも可動メインのものと固定が主とにおおよそ分けられる。
stability(安定、確固)mobility(可動性、移動性)である

動作において、身体の関節がそれぞれの役割を持って個別に働きながら、複数の関節を同時に協同して働かせることが機能的な動作に結びつく

—健康長寿ネット
より抜粋

身体を統合的にみることが東洋医学者だけでなく、およそどの医療者にも求められるようになった昨今、必須の知識となるのではないだろうか。私自身、まだ習いたてであるが記憶に残すために考えておきたい。

関節の可動と固定

赤枠→mobility joint(可動性、移動性)
青枠→stability joint(安定、確固)

図に表すように、およそ交互につながっていく。関節が、というより、身体全体は1つの協調運動である。

例えば、立位で片手を前方に出し、そのまま自動で前腕の回内を強めていったとする。
筋連動に意識を向けると、上肢だけでなく背部腰部、ひいては足部の荷重まで変化が起こる。
全身は連動し、協調運動を行なっている。

その協調運動をスムーズに行っていくために必要なことの1つとして、関節の動き、役割、つまりjoint by jointの考え方がある。

筋肉の起始と停止があるように、関節でも可動と固定の運動がある。
これ、特に固定の関節での障害が起こることが多い。

例)膝の痛み


膝の診断はもちろん行う。トーマスや引き出し、内/外反ストレス、etc…
局所かつ器質的疾患がある場合はそちらの緩和、もしくは病院などでの治療が必要かもしれない。

しかし、かなりの場合に関節連動の不足が起こりうる。
この図では足関節のROM低下、もしくは内反固定(頻発する)などによって足関節の動きが低下したとする。
すると本来は固定メインの関節である膝関節に足関節の代償としてのROM拡大が起こる。特に内反や外反といった複合的な動きに膝は対応できずオーバームーブメントによる痛みが発生する。同時に、固定軸がないこの状態をサポートするために股関節が固定側となり、さらなる不要な筋緊張を起こしていく。

このような代償のし合いが起こって痛みとなる。どこに障害が出るかはその人の日常生活や身体の使い方による。
御察しの通り、この場合に膝関節の治療をしても治らない。効果があったとしても一時的だ。
足関節から調整をしていく必要がある。

例)肩関節の痛み

先ほどの症例と同じく。
胸椎のROMのロックはかなり頻発する。この場合、腰痛としての波及もよくある。
猫背が多い、かつ座位でのPC作業が多い現代人では肩への発症も頻発する。
主には下肢長差や骨盤の傾斜による脊椎のズレ、胸椎の固定、肩の巻き込み、そこから上肢症状や頸部症状へ波及することが多い。

治療方法の選択

関節への手技は強刺激だ、と敬遠する治療家が多い。(特に鍼灸師)
しかしこの胸椎のように、周囲の筋肉を緩めるだけでは関節の動きが戻らないこともある。そういった際、関節モビリゼーションやカイロプラクティックなどの手技によって関節そのものを動かすことも必要だ。
*もちろん安全は確保した上で。カイロの手技であればオープンパックドポジションでの施術が望ましいが、メディアでは見栄えの違いもあり、クローズドでやっているところが散見される、悲しいことだ。

さて、関節のロックや症状の波及の仕方は本当に人によって様々である。
どう判断するか、検査や鑑別はこれからさらに深めていきたい。
また、当然ながら上記症例は例であって、可動と固定の関節すべてが完全に逆転するわけではない。

本日の学び

・関節はすべて同じではなく、固定と可動がある
・1つの関節が固定することによって隣接する関節が代償し、バランスが崩れる
・関節の動きを出すことで遠隔での治療とすることができる
・関節モビライゼーションも時には必要となる